看護師のストレス要因「人命に関わる緊張感、看取り」

看護師のストレス要因1〜人命に関わる緊張感、看取り〜

責任の重さが、看護師の辛さと魅力

 看護師は専門職であり、多様な職業がある中でも扱う対象が人命であるだけに、高度なスキルを求められます。発する言葉一つをとっても、機械相手にしている場合とは違い、重みがあります。それ故に仕事中には緊張感がありますし、指導も厳しいものになりますから、新人時代は他の職種以上に辛い時期であることが多いでしょう。
 そして仕事を続ければ続けるほど、自分の未熟さを実感するので、結局勉強し続けることになります。勉強の内容は疾患の勉強だけではなく、看護技術・正しい言葉使い・一般常識・コーチング・コミュニケーションetc.と、多岐に渡ります。上の立場になると、マーケティングや論文作成のためのスキル、スタッフをまとめるための管理能力、監査対策で法律や制度も勉強する必要が出てきます。経験を積んでも勉強し続けるなんて、終わりがないような虚無感に苛まれることもあるでしょう。
しかし、人としての成長もできるのがこの仕事の魅力ではないでしょうか。常に何かを学び続けるということが、看護師としてだけではなく、人としての成長も遂げることができるのです。一定スキルがあればこなせてしまう単純な事務作業や、機械相手の仕事では、こうはいきません。

人間性の現れる場面

 勤務している中であたりたくないのが、ステルベンと急変ですよね。いくつになっても慣れることはありませんし、慣れてはいけないのです。ステルベンは、亡くなった患者に対して行うエンゼルケアに、あまり違いはないかもしれません。しかし、一つとして同じステルベンはないのです。
 どのタイミングで、誰にどのような言葉をかけるのか。患者に対してどのように接するのか、ケアをするのか。医師からの指示である点滴やバイタルサインのチェックだけではなく、ステルベンの時にその人の人間性が現れます。大事な家族の死を身近に感じた時、家族のとる行動は人それぞれ違います。看取りだったのか、急変によるステルベンだったのか…。その時に私達看護師は、どのような言葉をかけられるでしょうか?
看護師は、ただ寄り添うだけではいけないのです。正常な判断の付かない家族に対して、言うべきことは言わなければなりません。帰りの服や車はどうするのか、互助会に入っている葬儀会社があるのか、誰が車に同乗するのか…等々、現実的かつ事務的なことを確認しなくてはならないのです。

この時に、どのように言葉をかけたらよいでしょう?もちろん答えはありません。

看護師の仕事は命相手ですから、中途半端なことやいい加減な態度は許されません。医学的な知識だけでなく、発する言葉や態度一つをとっても知性を欠く言葉は使えませんし、誠実な人間でなくてはなりません。この責任の重さが、仕事のやる気につながります。そしてまた勉強し、自己研鑽に励みます。
看護師にゴールはありません。働き続けながら、よりよい看護師に向かっていくのです。こんな誇りを持てる仕事って、素晴らしいと思いませんか?