看護師のストレス要因「患者・患者家族との関係」

看護師のストレス要因5〜患者・患者家族との関係〜

理解してもらえないから、報われない

 看護師のストレス源は多々ありますが、そのうちの一つが患者・家族との関わりです。人間性というのは、病気などの辛い立場になった時にこそ現れるものかもしれません。同じ年齢でも、たかが風邪で大騒ぎをする人もいれば、抗癌剤の副作用に苦しんで痛みと戦っていても、看護師の労をねぎらってくれる人もいます。
 もちろんどの状況においても患者は患者であり、看護師は患者の不快や苦痛を取り除くことが仕事なのですから、患者から何を言われたとかを言ってはいけないのかもしれません。しかし、私達も人間です。いくら給料をもらっているからといっても、やはり嫌なことを言われれば、気分を害します。患者のために言っていることや、専門的なことに対して理解が得られない場合は、特にストレスを感じます。帰宅後もやるせなさでいっぱいになります。

看護師はサービス業である

 昔と違い、今は医師や看護師だからと言って、尊敬されることも尊ばれることもありません。お金を払って治療というサービスを受けているのだと、多くの患者は考えています。だから看護技術や接遇はもちろん、照明や空調、音楽、設備面でももろもろの注文がくるのです。
 私達の本来の仕事は、患者の心身の健康を得るための援助をすることです。しかし、それは今やレストランで注文した物が出てくるのと同じような扱いなのです。だから接客態度だけでなく、テーブルや店舗がきれいかどうかまでクレームがくるのです。もちろん味や商品の出来栄えに対しても。
 しかし、私達は本来患者が望んでいなくても、生きるためには必要であれば安静を強要することも、痛みを伴う処置を行うこともあります。精密検査をするために様々な検査を組んだり、絶飲食にすることもあります。
また、トイレ介助を頼まれて、そのまますぐできればよいのですが、ほとんどの場合は何かの作業中に声をかけられます。ですから少々の待ち時間をもらったり、順番で訪室することになるのですが、それにも理解を得られない場合があります。
言われた時にすぐに伺いますと言えるほど、どの医療機関も人員にゆとりはありません。もちろん、排泄を我慢しろとか、痛いのを我慢しろと言われたら苦痛以外の何物でもありません。私達看護師は、最初から苦痛を与えるつもりで患者と接していません。

しかし、なかなかそれを理解してもらえないのは、昨今の患者が自分を「お客様」だと思っているからです。

確かに自分自身や家族が入院したら、いろいろなものが目につくでしょう。しかし、やはり看護師は金儲けのための仕事ではありませんから、患者・患者家族にもそこは理解してもらいたいところですね。しかし、他者に「こうしてもらいたい」と思うと、ストレスをコントロールすることができません。そこで、これからの看護師は自分がサービス業であることを強く認識する必要があると思うのです。看護の質はもちろん、接遇も、危機管理も、感染管理も、環境整備も全てにおいて、プロフェッショナルを求められる。そのため、常に自己研鑽に励むことが当たり前になるのです。そして、ストレス管理も一つのプロとしてのスキルの一つになると言えるでしょう。